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-博物館だより vol.67-


第11回 からむし市  Karamushi-ichi on a piknik!

 他産地からからむしが消えてしまってからも、昭和村で長い間からむしが生産され続けているのはなぜかと、からむしを紹介して行く中でずっと考えていました。そんな中で、からむしや織りに関わることばかりでなく、昭和村の暮らし全体が、そのものの性質を熟知して、長所を伸ばし、短所を補って、適材適所に活用していることを知りました。
 その象徴として、「味ぶかし」、いわゆる「おこわ」をふかす時に、「ふかし布」、昭和村で言う「スキンノ」を使うと、こんなにおいしくできる、ということを実感していただきたくて、昨年から、おにぎりを持ってからむし織の里でピクニック、という企画ができました。大好評で、定番企画にします。(なぜ「スキンノ」かは、市にて・・・。)
 昨年はあっという間に完売したので今年は多めに作りますが、期間中毎日は作れません。どうしても食べたい方は、販売日をご確認の上お出かけください。
 花より団子になってしまいましたが、今年も「からむし市」は充実しています。手績み糸を使って地機で織る、昭和村の布文化の後継者も着々と育ち、新しい作り手が増えました。例年小物が不足気味ですが、コースターなどの小さな物から大判の暖簾まで、いろいろ取り揃えてお待ちしています。
 また、昨年博物館ロビーで好評だった蚊帳の体験。今年はぐっとバージョンアップして、大きな蚊帳を吊ります。畳を敷いておきますので、中に入ってごろんと横になってみてください。
目をつぶって、蚊帳の独特の匂いをかぎ、聞こえてくる音に耳を澄ませたら、自然と頭に浮かんでくるのはどんなことでしょうか。蚊帳という独特の空間の中で、自分に問いかけてみてください。「今、何を感じてる?」と。
 人やものの性質を見抜くには、言葉より深い部分や、物言わぬものたちを知らなければなりません。相手を良く観て、良く聴き、自分を無にして感じることが大切だと分かりました。ですが現代生活は、様々な都合が優先されて、ゆっくり心を開くことが難しくなっており、自分の気持ちすら置き去りにされてしまうことがあります。相手を感じるには、自分も解放しなければなりません。
 今年は、からむし織の里中庭の開けた空間と、蚊帳という半分だけ閉じられた空間で、五感を開放して、目に見えるものも、見えないものも、沢山のものを全身で感じてください。空気の匂いや色、頬に当たる風の重さ、自然の色のグラデーション。そして、今自分が感じていること、心地よいと思うこと、布の微妙な感触の違いなど、存分に感じてください。
 この時期、昭和村は命が一斉に目覚める時です。爛漫の春に自分を解放したら、今まで見えなかったものが見えてくるかもしれません。

期間・・・4月28日(土)〜5月6日(日) 9時〜17時

手績み糸を地機織りした製品の展示販売・・・織姫交流館
蚊帳の中で寝っ転がってみよう・・・・・・・・・・・からむし工芸博物館ロビー
スキンノの味ぶかしおにぎりセット500円・・・・織姫交流館
 販売日(3日間限定!)・・・4月29日(日)・5月4日(金)・5日(土)
  *おにぎりお買い上げの方にゴザを無料でお貸しします。
   広い中庭のお好きな場所で、芝の地面に座って、ほおばってください。



地機講習会作品展

                             平成23年度作品展                                

 12月から3月まで行われた、村民向けの地機講習会。今年も新人さん4人を迎えて、総勢12人となりました。
 子供の頃やったきりだから思いだせるかな、と取り組んでくれたばあちゃん。定年して時間ができたから、と挑戦してくれた人。働きながら、夜と休日に作業を頑張った若手。織姫体験生として昭和村に来てそのまま住みつき、地機にはまった人。
今年度はバラエティに富んだ顔ぶれで、しかも皆さん元気で、とても良いチームワークでした。
 その成果である作品展を、からむし市期間中開きます。市の商品ばかりではなく、四苦八苦して作られた糸や布も、見てあげてください。

日         時・・4月28日(土)〜5月6日(日) 9時〜17時
地機講習会作品展・・からむし工芸博物館ロビー(入場無料)



博物館シリーズ15完成

 博物館シリーズ15「上杉家を支えた苧(からむし)」が刊行されました。

 開館以来毎年、秋の企画展の図録が発行されています。夏の小企画展は図録を作りませんが、平成21年度に開催された「天地人 上杉家を支えた苧(からむし)」は、小企画展としては充実していて、うずもれてはもったいない内容でした。
 いずれもっと踏み込んだ企画展を開く学芸員が出るかもしれませんが、現段階では、からむしを経済的側面から解説した唯一の内容です。歴史の中で重要な役割を果たしたからむしの、収益の仕組みやその変遷を、上杉家の財政という観点から追います。

B5判16ページ、表紙カラ―、本文1色:販売価格500円



昭和村の布づくり作業の実演

                           地機講習会作業の様子

 からむし市が終わると始まるのが、布づくり作業の実演です。こちらも、定番企画となりました。
 例年長く続けている作り手の方にやっていただいていますが、今年は、始めの内、地機を習い始めて2年目からの新人さん達にも実演に挑戦してもらいます。村で生まれ育った人、昭和村にお嫁に来た人、Iターン組等、様々な昭和村民と、習い始めの苦労話や、昭和村の話題など、作業を見ながら直接話せるチャンスです。
 昭和弁の話せる人も、まだ話せない人も、昭和村大好き、からむし大好きな人達ばかりです。気軽におしゃべりを楽しんでください。
 と言う訳で、5月〜6月の実演は、糸績みです。

期   間:5月12日(土)〜11月26日(日)の土曜日・日曜日
場   所:博物館ロビー(入館無料)*展示室の見学は有料です
実演時間:10時〜15時(お昼休み1時間)
お 休 み:7月14日(土)〜8月19日(日)*苧引き期間中はお休みです
実演内容:からむしの糸績み・よりかけ・地機織りの作業
     *時期や都合により作業内容が変わります。
      随時ホームページでお知らせしますが、
      目的のある方は事前にお問い合わせください。
     *お休み期間に実演を見たい方は、からむし織の里フェア
      7月21日(土)22日(日)にお越しください。




編集後記
 4月7日まで雪の積もった昭和村も、気温が上がって来て、雪が目に見えて減っています。
 新しい年度となりましたが、冬季イベントの「からむし文化展」を延長しています。昭和村の暮らしを紹介するのに、ぴったりの内容になったからです。
 博物館ロビーは無料でご覧いただけますので、こちらだけでも見て行って下さい。もちろんリニューアルの展示室も見ていただけると、嬉しいですが。
 今年度もよろしくお願いします。   
                                  よしだ