○昭和村職員の懲戒処分等の指針

平成30年12月1日

訓令第1号

第1 基本事項

本指針は、過去における非違行為等を参考に、それぞれにおける標準的な懲戒処分又は指導上の措置(以下「懲戒処分等」という。)の量定を示したものです。

具体的な処分量定の決定に当たつては、

① 非違行為の動機、態様及び結果はどのようなものであつたか

② 故意又は過失の度合いはどの程度であつたか

③ 非違行為を行つた職員の職責はどのようなものであつたか、その職責は非違行為との関係でどのように評価すべきか

④ 他の職員及び社会に与える影響はどのようなものであるか

⑤ 過去に非違行為を行つているか

⑥ 公務上又は公務外の区分

⑦ 改心の程度はどうか

等のほか、適宜、日頃の勤務態度や非違行為の事実を自ら発覚前に申し出るなど非違行為後の対応等も含め、総合的に考慮のうえ判断するものです。

このため、個別の事案の内容によつては、標準例に掲げる量定以外とすることもあり得るところで、標準例に掲げられていない非違行為についても、懲戒処分等の対象となり得るものであり、それらについては、標準例に掲げる取り扱いを参考としつつ判断します。

なお、標準例に掲げる処分の種類より重いものとすることが考えられる場合として、

① 非違行為の動機若しくは態様が極めて悪質であるとき、又は非違行為の結果が極めて重大であるとき

② 非違行為を行つた職員が管理、又は監督の地位にあるなどその職責が特に高いとき

③ 非違行為の公務内外に及ぼす影響が特に大きいとき

④ 過去に類似の非違行為を行つた事を理由として懲戒処分を受けたことがあるとき

⑤ 処分の対象となり得る複数の異なる非違行為を行つていたときがある。

また、標準例に掲げる処分の種類より軽いものとすることが考えられる場合として、

① 職員が自らの非違行為が発覚する前に自主的に申し出たとき

② 非違行為を行うに至つた経緯その他の情状に特に酌量すべきものがあると認められるとき

第2 懲戒等の種類

1 懲戒

地方公務員法第29条第1項の規定に基づき、村長が人事通知書により、職員の非違行為に対して懲罰として行う次の処分

(1) 免職 勤務関係から排除する処分

(2) 停職 1日以上1年以下の間、職務に従事させない処分

(3) 減給 1日以上1年以下の間、給料の月額の10分の1以下に相当する額を給与から減ずる処分

(4) 戒告 非違行為に係る責任を確認させ、その将来を戒める処分

2 訓戒

監督の地位にある者が、職員の非違行為に対してその責任を確認させ、将来を戒めるために行う行為で、1に当たらない次のもの

(1) 書面訓告 文書により行う注意

(2) 厳重注意 文書により行う注意

(3) 口頭注意 口頭により行う注意

第3 懲戒等の公表

職員に対し懲戒等を行つた場合には、次により公表するものとします。

1 公表対象

(1) 地方公務員法第29条第1項の規定に基づく懲戒処分

(2) 地方公務員法第28条第2項第2号の規定に基づく刑事事件に関し起訴された場合の休職処分

(3) 特に社会的に関心が大きい事案又は社会に及ぼす影響の著しい事案に係る訓戒

2 公表内容

(1) 公表する懲戒等の内容は、次のとおりとする。

ア 処分の対象となつた事案の概要

イ 被処分職員の所属部局名

ウ 被処分職員の職名

エ 被処分職員の年齢及び性別

オ 処分内容

カ 処分年月日

(2) 懲戒免職の場合、すでに報道等により被処分職員の氏名が公表されているときは、2の(1)に規定する内容に併せて氏名も公表するものとする。

(3) 被処分職員の上司等で、管理監督責任等により処分された職員があるときは、村長の判断により、2の(1)及び(2)に規定する内容と併せて関係職員の職名及び処分内容を公表するものとする。

3 公表の例外

被害者又はその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合、警察から捜査上の依頼がある場合等、1及び2の公表内容によることが適当でないと認められる場合は、1及び2の規定にかかわらず、公表内容の一部又は全部を公表しないことができるものとする。

4 公表の時期及び方法

(1) 1に規定する懲戒等を行つたときは、処分後、速やかに公表するものとする。

(2) 公表は、記者クラブ等への資料の提供その他適宜の方法によるものとする。

第4 標準例

Ⅰ 公務上非行関係

1 一般服務関係

非違行為

懲戒処分の種類

(1)欠勤

正当な理由なく10日以内の間勤務を欠くこと。

減給又は戒告

正当な理由なく11日以上20日以内の間勤務を欠くこと。

停職又は減給

正当な理由なく21日以上の間勤務を欠くこと。

免職又は停職

(2)遅刻・早退

正当な理由なく勤務の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠くこと。

欠勤時間数を日数換算し(1)に準じる

(3)休暇の虚偽請求

療養休暇、特別休暇又は介護休暇について虚偽の請求をすること。

減給又は戒告

(4)勤務態度不良

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠り、公務の運営に支障を生じさせること。

減給又は戒告

(5)職場内秩序を乱す行為

他の職員に対する暴行により職場の秩序を乱すこと。

停職又は減給

他の職員に対する暴言により職場の秩序を乱すこと。

減給又は戒告

(6)虚偽報告

事実をねつ造して虚偽の報告を行うこと。

減給又は戒告

(7)違法な職員団体活動

地方公務員法第37条第1項後段の規定に違反して同項前段に規定する違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおること。

免職又は停職

地方公務員法第37条第1項前段の規定に違反して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は村の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をすること。

減給又は戒告

(8)秘密漏えい

職務上知ることのできた秘密を漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせること。

免職又は停職

昭和村個人情報保護条例第3条第2項の規定に違反してその業務に関して知り得た個人情報をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に使用すること。

減給又は戒告

(9)兼業の承認等を得る手続きのけ怠

営利企業の役員等の職を兼ね、若しくは自ら営利企業を営むことの承認を得る手続き又は報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員等を兼ね、その他事業若しくは事務に従事することの許可を得る手続きを怠り、これらの兼業を行うこと。

減給又は戒告

(10)個人の秘密情報の目的外収集

その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集すること。

減給又は戒告

(11)個人情報の盗難、紛失又は流出

過失により個人情報を盗難され、紛失し、又は流出させること。

減給又は戒告

(12)政治的行為の制限違反

公職選挙法第136条の2の規定に違反して公務員の地位を利用して選挙運動をすること。

免職、停職又は減給

地方公務員法第36条第3項の規定に違反して政治的行為を行うよう職員に求める等の行為をすること。

停職又は減給

地方公務員法第36条第1項又は第2項の規定に違反して政治的行為をすること。

減給、戒告又は訓告

(13)官製談合

入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律第2条第5項に規定する「入札談合等関与行為」を行うこと。

免職又は停職

(14)施設利用者等に対する傷害・暴行

施設利用者等の身体を傷害すること。

免職又は停職

施設利用者等に傷害に至らない暴行を加えること。

停職、減給、戒告又は訓告

(15)公文書の不適正な取扱い

公文書を偽造、変造、又は虚偽公文書の作成、並びに毀棄すること。

免職又は停職

決裁文書を改ざんすること。

免職又は停職

公文書を改ざんしたり紛失や誤廃棄等を行うこと。

停職、減給又は戒告

(16)セクシュアル・ハラスメント

暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等のその地位を利用した関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び、若しくはわいせつな行為をすること。

免職又は停職

わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を執拗に繰り返したことにより相手を強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患させること。

免職又は停職

わいせつな言辞等の性的な言動を繰り返すこと。

停職又は減給

わいせつな言辞等の性的な言動を行うこと。

減給又は戒告

(17)公務員倫理違反

賄賂を収受すること。

免職又は停職

利害関係者から供応接待を受けること。

停職、減給又は戒告

利害関係者と共に遊技をし、ゴルフをし、又は旅行をすること。

戒告又は訓告

(18)内部通報

非違行為の事実を内部機関に通報した職員を詮索し、又はこれに不利益を及ぼし、若しくは及ぼそうとすること。

停職又は減給

事実をねつ造して非違行為を内部機関に通報すること。

減給又は戒告

(19)法令等違反・不適正な事務処理等

職務の遂行に関して法令等に違反し、又は不適正な事務処理等を行うことにより、公務の運営に重大な支障を与え、又は村民等に重大な損害を与えること。

免職、停職、減給、戒告、訓告又は厳重注意

(20)非行の隠ぺい・黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認すること。

停職、減給、戒告又は訓告

2 公金等取り扱い関係

非違行為

懲戒処分の種類

(1)横領

公金又は村の財産(以下「公金等」という。)を横領すること。

免職

(2)窃取

公金等を窃取すること。

免職

(3)詐取

人を欺いて公金等を交付させること。

免職

(4)紛失

公金等を紛失すること。

戒告

(5)盗難

重大な過失により公金等の盗難に遭うこと。

戒告

(6)村の財産の損壊

故意に職場において村の財産を損壊すること。

減給又は戒告

(7)出火・爆発

過失により職場において村の財産の出火又は爆発を引き起こすこと。

戒告

(8)諸給与の違法支払・不適正受給

故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給すること。

減給又は戒告

(9)公金等の処理不適正

自己保管中の公金を流用するなど公金等の不適正な処理をすること。

減給又は戒告

3 コンピュータ利用関係

非違行為

懲戒処分の種類

(1)コンピュータの不適正使用

職場のコンピュータをその職務に関連しない不適正な目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせること。

減給、戒告又は訓告

(2)不正アクセス

他人のパスワードを無断で使用し、又は不正に情報システムにアクセスし、行政情報及び情報システムの破壊、改ざん若しくは消去を行い、又は情報を漏洩すること。

免職又は停職

他人のパスワードを無断で使用し、又は不正に情報システムにアクセスすること。

減給、戒告又は訓告

(3)不正アクセス等のほう助

情報システム管理者又はパスワードを付与されている利用権者に無断で当該利用権者のパスワードを第三者に提供すること。

減給、戒告又は訓告

(4)ウィルス・不正プログラム等の利用

故意にウィルス又は不正なプログラム等を利用して行政情報及び情報システムを破壊させること。

免職又は停職

故意にウィルス又は不正なプログラム等を利用してネットワークの適正な運用を妨げること。

停職又は減給

Ⅱ 公務外非行関係

非違行為

懲戒処分の種類

(1)放火

放火をすること。

免職

(2)殺人

人を殺すこと。

免職

(3)傷害・暴行

人の身体を傷害すること。

停職又は減給

人を傷害するに至らない暴行を加え又はけんかをすること。

減給、戒告、訓告又は厳重注意

(4)器物損壊

故意に他人の物を損壊すること。

減給、戒告、訓告又は厳重注意

(5)横領

自己の占有する他人の物を横領すること。

免職又は停職

遺失物等を横領すること。

減給又は戒告

(6)強盗・窃盗

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取すること。

免職

他人の財物を窃取すること。

免職又は停職

(7)詐欺・恐喝

人を欺いて財物を交付させ、又は人を恐喝して財物を交付させること。

免職又は停職

(8)賭博

常習として賭博をすること。

停職

賭博をすること。

減給又は戒告

(9)麻薬・覚せい剤等の所持等

麻薬、大麻、あへん、覚せい剤、危険ドラッグ等を所持し、使用、譲渡等すること。

免職

(10)酩酊による粗野な言動等

酩酊して、公共の場所や乗物において公衆に迷惑をかけるような著しく粗野又は乱暴な言動をすること。

減給又は戒告

(11)淫行

18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をすること。

免職又は停職

(12)わいせつ行為

強姦、強制わいせつ、公然わいせつ又はわいせつ目的を持つて体に触れる等の行為をすること。

免職、停職又は減給

公共の場所等において痴漢行為若しくは盗撮行為を行い、又は人の住居等をひそかにのぞき見すること。

停職又は減給

(13)ストーカー行為

ストーカー規制法に基づく警察による警告を受けたにもかかわらず、なおストーカー行為をすること。

停職又は減給

ストーカー行為をすること。

減給、戒告又は訓告

(14)非行の隠ぺい・黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認すること。

停職、減給、戒告又は訓告

Ⅲ 交通事故・交通法規違反関係

非違行為

懲戒処分の種類

(1)飲酒運転での交通事故等

酒酔い運転をすること。

免職又は停職

酒気帯び運転で人を死亡させ、又は傷害を負わせる交通事故を起こすこと

免職

酒気帯び運転をすること。

免職又は停職

・物の損壊に係る交通事故を起こし、その後の措置義務違反をすること。

免職

・無免許又は無資格運転をすること。

免職

飲酒の事情を知りながら同乗すること。

免職又は停職

・飲酒運転をした者に指示又は命令等をすること。

免職

飲酒運転となることを知りながら飲酒を勧めること。

停職

(2)著しい速度超過

一般道30キロメートル(高速道40キロメートル)以上の速度超過(以下「著しい速度超過」という。)で人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせる交通事故を起こすこと。

免職、停職又は減給

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職又は停職

著しい速度超過で人に傷害を負わせる交通事故を起こすこと。

停職、減給又は戒告

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職、停職又は減給

著しい速度超過で物の損壊に係る交通事故を起こすこと。

停職、減給、戒告又は訓告

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職、停職、減給又は戒告

著しい速度超過をすること。

戒告、訓告又は厳重注意

・無免許又は無資格運転をすること。

停職、減給、戒告又は訓告

(3)上記以外

人を死亡させ、又は重篤な傷害を負わせる交通事故を起こすこと。

免職、停職、減給、戒告又は訓告

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職、停職又は減給

人に傷害を負わせる交通事故を起こすこと。

停職、減給、戒告、訓告、厳重注意又は口頭注意

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職、停職又は、減給

物の損壊に係る交通事故を起こすこと。

停職、減給、戒告、訓告、厳重注意又は口頭注意

・無免許又は無資格運転をし、又は事故後に措置義務違反をすること。

免職、停職、減給又は戒告

無免許又は無資格運転をすること。

停職、減給又は戒告

上記以外の道路交通法違反等をすること。

戒告、訓告、厳重注意又は口頭注意

(4)非行の隠ぺい・黙認

部下職員の非違行為を知得したにもかかわらず、その事実を隠ぺいし、又は黙認すること。

停職、減給、戒告又は訓告

第5 施行日等

1 この訓令は、平成30年12月1日から施行し、同日以後に処分事由となる非違行為があつた事案について適用する。

2 職員の交通事故等に対する懲戒処分等の基準(昭和56年3月25日訓令第2号)は廃止する。

(令和5年訓令第2号)

この指針は、令和5年4月1日から施行する。

昭和村職員の懲戒処分等の指針

平成30年12月1日 訓令第1号

(令和5年4月1日施行)

体系情報
第4編 事/第2章 分限・懲戒
沿革情報
平成30年12月1日 訓令第1号
令和5年3月15日 訓令第2号