○昭和村犯罪被害者等支援条例
令和五年三月十五日
条例第三号
(目的)
第一条 この条例は、犯罪被害者等基本法(平成十六年法律第百六十一号)に基づき、犯罪被害者等支援に関し、基本理念を定め、村、村民及び事業者の責務を明らかにするとともに、犯罪被害者等支援の基本となる事項を定めることにより、犯罪被害者等支援を総合的に推進し、もつて、犯罪被害者等が受けた被害の回復又は軽減及び犯罪被害者等の生活の再建を図ること並びに犯罪被害者等を地域社会で支え、誰もが安全で安心して暮らすことができる社会の実現に寄与することを目的とする。
一 犯罪等 犯罪及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為をいう。
二 犯罪被害者等 犯罪等により被害を受けた者及びその家族又は遺族をいう。
三 犯罪被害者等支援 犯罪被害者等が、その受けた被害を回復し、又は軽減し、安全で安心して暮らすことができるよう支援するための取組をいう。
四 村民 村内に居住し、通勤し、又は通学する者及び村内で活動を行う者をいう。
五 事業者 村内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
六 再被害 犯罪被害者等が、当該犯罪等の加害者から再び被害を受けることをいう。
七 二次被害 犯罪等による直接的な被害を受けた後に、周囲の者による理解又は配慮に欠けた言動、インターネット等を通じて行われる誹謗中傷、報道機関による過剰な取材等により、犯罪被害者等が受ける精神的な苦痛、身体の不調その他の被害をいう。
八 関係機関 国、福島県その他の地方公共団体、警察及び犯罪被害者等支援を行う民間の団体その他の犯罪被害者等支援に関係するものをいう。
(基本理念)
第三条 犯罪被害者等支援は、次に掲げる事項を基本理念とし、犯罪被害者等の立場に立つて適切に推進されなければならない。
一 犯罪被害者等の個人としての尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利が尊重されること。
二 犯罪被害者等が受けた被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に行われるとともに、再被害及び二次被害が生じることのないよう十分に配慮されること。
三 犯罪被害者等が安全で安心して暮らすことができるよう、必要な支援が途切れることなく提供されること。
四 村及び関係機関による相互の連携及び協力の下で行われること。
(村の責務)
第四条 村は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。)にのつとり、関係機関との適切な役割分担を踏まえ、犯罪被害者等支援に関する施策を総合的に実施するものとする。
2 村は、犯罪被害者等支援に関する施策を実施するに当たり、二次被害を生じさせることのないよう十分に配慮し、これを防止するものとする。
(村民の責務)
第五条 村民は、基本理念にのつとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深め、二次被害を生じさせることのないよう十分に配慮するとともに、村及び関係機関が実施する犯罪被害者等支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第六条 事業者は、基本理念にのつとり、犯罪被害者等が置かれている状況及び犯罪被害者等支援の必要性について理解を深め、その事業活動を行うに当たつては、二次被害を生じさせることのないよう十分に配慮するとともに、村及び関係機関が実施する犯罪被害者等支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、犯罪被害者等がその被害に係る法的手続に適切に関与することができるよう、その就労、勤務、休暇等について、十分に配慮するよう努めるものとする。
(相談及び情報の提供等)
第七条 村は、犯罪被害者等が日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう、犯罪被害者等が直面している問題について相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関との連絡及び調整を行うものとする。
2 村は、犯罪被害者等支援に関する相談、情報の提供等を総合的に行うための窓口を犯罪被害者等支援を所管する課に置くものとする。
(見舞金の支給)
第八条 村は、犯罪被害者等の心身を慰労するため、規則で定めるところにより、見舞金を支給するものとする。
(日常生活の支援)
第九条 村は、犯罪被害者等が平穏な日常生活を営むことができるようにするため、関係機関と連携し、必要な施策を講ずるものとする。
(心身に受けた影響からの回復支援)
第十条 村は、犯罪被害者等が心理的外傷その他の犯罪等により心身に受けた影響から回復できるようにするため、その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(安全の確保)
第十一条 村は、犯罪被害者等が再被害及び二次被害を受けることを防止し、その安全を確保するため、一時保護、施設への入所による保護、防犯に係る指導及び助言、犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保その他の必要な施策を講ずるものとする。
(居住の安定)
第十二条 村は、犯罪等により従前の住居に居住することが困難となつた犯罪被害者等の居住の安定を図るとともに、再被害及び二次被害を防止するため、一時的な利用のための住居の提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
(村民及び事業者の理解の増進)
第十三条 村は、犯罪等の被害に対する村民及び事業者の関心を高め、犯罪被害者等が置かれている状況、犯罪被害者等支援の必要性、二次被害の防止の重要性等について村民及び事業者の理解を深めるため、広報、啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。
(学校における支援)
第十四条 村は、犯罪被害者等が児童、生徒等であるときは、その置かれている状況に応じて十分に配慮されるよう、学校と連携し、必要な支援を行うものとする。
(個人情報の適切な管理)
第十五条 村は、犯罪被害者等支援における個人情報の重要性を認識し、犯罪被害者等及びその関係者の個人情報を適切に管理しなければならない。犯罪被害者等支援に従事する者が個人情報を取り扱う場合も、同様とする。
(委任)
第十六条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
この条例は、令和五年四月一日から施行する。