お知らせ プレスリリース

凸版印刷とのIoTを活用した独居高齢者の見守りについて

センサ×AIによる介護業務支援サービス「LASHIC+」で、自治体向け活用の実証実験を開始

 福島県昭和村(村長:舟木 幸一、以下 昭和村)と凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、センシングとAIを活用した介護業務支援サービス「LASHIC+(ラシクプラス)」を活用して、昭和村内の独居高齢者における見守り支援の実証実験を2022年12月下旬から開始します。

 「LASHIC+」は、2021年より凸版印刷が提供している温度・人感等のセンシングが可能な簡易センサーとそれらの取得情報を統合解析できるAIにより、プライバシーに配慮した形で施設入居者の行動を把握し、介護従事者の業務負荷の軽減を実現するサービスです。

 本実証は、「LASHIC+」の自治体向けの活用として、昭和村における後期高齢者の独居住まいを対象に行います。昭和村は、少子高齢化や過疎化により後期高齢者の独居住まいが多く、見守りが必要な独居高齢者へ役場の担当職員が定期訪問を実施しています。今後更なる高齢化や、過疎による人手不足が懸念される中、「LASHIC+」を活用した見守り支援の実証を行い、定期訪問の適正化と異常の早期発見による職員の業務負荷軽減や見守り業務の質向上を目指します。 また、凸版印刷は2025年問題(※1)における介護人材不足、医療介護費の増大の解決に取り組んでおり、将来的な地域包括ケア(※2)の支援を目指します。

本実証のイメージ © TOPPAN INC.

■ 本実証の背景

 昨今、少子高齢化や地方における過疎化の進行により一人暮らし(独居)の高齢者が増加し、これによる独居高齢者のケアや孤独死が深刻な社会問題になっています。高齢化率56.9%・後期高齢化率36.8%(2022年11月末時点・昭和村調べ)と高齢化が進行する昭和村においても、独居高齢者への支援として現在、2名の担当職員が約100名にのぼる独居高齢者を月に複数回、定期訪問しています。今後も対象世帯の増加が見込まれ、担当職員の業務負荷軽減や異常等の早期発見が課題となっています。

 このたび、これらの課題解決の施策として、昭和村と凸版印刷は共同で、凸版印刷が提供する「LASHIC+」を活用した独居高齢者の見守り支援の実証実験を推進します。 凸版印刷は、医療・介護における社会課題の解決を目的とした「トライアングルハート支援事業」を2017年度より推進しています。その1つとして「LASHIC+」を活用し、介護事業者・入居者(被介護者)・その家族の3者のコミュニケーションの円滑化、見守り支援を行ってきました。今回の実証を通じて、施設介護だけでなく個人宅も含む地域全体での活用に向けたサービス向上に取り組みます。

■ 本実証実験の概要

目的役場担当職員における独居高齢者への定期訪問の適正化、質向上および異常の早期発見に対する「LASHIC+」を活用したサポートの検証
対象福島県昭和村における独居高齢者の個人宅、村営の高齢者向け生活支援ハウス
実証期間2022年12月下旬~2023年3月の約3か月間
※2022年8月より閾値設定を含むセンシングデータの蓄積によるプレ実証を開始。2022年12月下旬から見守り対象者の行動に合わせたアラート発報での本実証実験を開始。全体実証期間としては、約8か月間の実施。
実証件数約10件(7戸、1施設3床)
具体的内容① 独居高齢者の自宅(生活支援ハウス含む)の居住スペース・トイレ等に人感やドア開閉を検知する簡易センサーを設置し、対象者の行動データを取得する。
② AIを活用して見守り対象者ごとの行動データに合わせたアラートを設計し、異常時にはアラート発報を行う。
③職員はアプリ上で対象者のステータスやアラートを閲覧可能。これらの情報を基に定期訪問の最適化や異常の早期発見を実現し業務効率化や見守り業務の質向上を検証する。
画面イメージ
画面イメージ

「LASHIC+」について

 「LASHIC+」は、2021年より凸版印刷が介護総合支援事業を展開するインフィック株式会社(本社:静岡県静岡市、代表取締役社長:増田 正寿、以下 インフィック)と協業して開発した介護業務支援サービスです。被介護者の自宅や施設の部屋に、カメラを用いないプライバシーに配慮した簡易的なセンサーを設置することで行動データ(人感、温度、湿度、照度、ドア開閉)を取得しAIが解析します。AIが行動データの学習を重ねることで個人に合わせた異常行動を正確に検知し、見守る方へ知らせることが可能です。これにより、介護従事者の人材不足への対応や業務負荷の軽減を実現します。
「LASHIC+」サイトURL:https://www.toppan.co.jp/solution/service/lashicplus/

■ 今後の目標

 昭和村と凸版印刷は、本実証実験を通して、カメラやウェアラブルデバイスを用いないセンシングによる異変の検知手法を確立し、2023年度を目標に「LASHIC+」を活用した高齢者が安心して暮らせる地域の見守りモデルの構築を目指し、さらに2024年度以降の本格運用に向けた検討を行います。

 昭和村は、第6次昭和村振興計画において掲げる「この村でここちよく暮らす」を実現するため、デジタル技術を積極的に活用し、住民がここちよく暮らせる地域を目指します。 凸版印刷は、今後「LASHIC+」をはじめとしたIoTを活用したサービス等を提供することで地域課題の解決、またスマートシティ実現に向けた社会課題の解決を推進します。

凸版印刷について

 トッパンは、「印刷テクノロジー」をベースに「情報コミュニケーション事業分野」、「生活・産業事業分野」および「エレクトロニクス事業分野」の3分野にわたり幅広い事業活動を展開しております。https://www.toppan.co.jp/

※1 2025年問題
団塊世代が後期高齢者になり、それに伴い発生する介護人材不足や医療介護費の増大などの問題を指します。

※2 地域包括ケア
地域包括ケアとは、医療や介護が必要な状態になっても、可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保されるという考え方を指します。

※ 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
※ 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。 ※ LASHICはインフィック㈱の登録商標です。

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