「かすみ草の村」宣言について
令和5年4月3日、福島県昭和村は、「かすみ草の村」を宣言しました。
1985年(昭和60年)の日本専売公社民営化を契機に、昭和村では葉タバコ生産からカスミソウ栽培に転換してきました。現在では、60戸の栽培農家がおり、そのうち27戸が新規での参入となります。また、2019年(令和元年)には昭和村のほか、近隣自治体の柳津町、三島町、金山町の生産者と、JA、行政が一体となって昭和かすみ草振興協議会を立ち上げました。この4町村による『昭和かすみ草』の販売額が、令和4年度に過去最高の6億円を突破したところです。
本村としては、今後もカスミソウ栽培の担い手を確保し供給体制の維持に努めるとともに、村内外における需要を喚起することに加え、新規就農者による移住・定住を促進する必要があると考えています。一方、村では2017年(平成24年)から村内の小・中学生に「花育」の授業を始め、村の基幹産業であるカスミソウ栽培の学習と、ふるさとに対する誇りと愛着を醸成する取組を続けるとともに、2019年(令和元年)にはカスミソウ栽培に対する取組も評価され「日本で最も美しい村」連合に加盟しました。10年後も20年後も昭和かすみ草のように美しく、活気が溢れた昭和村を築いていくため、ここに村を挙げて「かすみ草の村」を宣言します。
昭和村かすみ草の特徴
昭和村農林水産物集出荷貯蔵施設を通して出荷したカスミソウを「昭和かすみ草」と呼んでいます。同施設は、昭和村の特徴の一つでもある豪雪を利活用して、内部に10tトラック300台分の雪を貯蔵し、夏の間でも予冷庫に自然の冷気を送り出すことができる雪室としとても知られています。低温仕分室から常温の場所を経由することなく、直接トラックに積み込めるパーフェクトコールドチェーン(低温流通体系)が確立されたことから、高品質の状態で消費者の手に届けられるようになりました。
カスミソウには、「アルタイル」、「ベールスター」などたくさんの品種と、満天の星、清らかな恋、深い思いやりなど、数々の花言葉があります。別名ベビーズブレス(赤ちゃんの吐息)とも言われています。昭和かすみ草は花が大きく、日持ちも良いことが特徴です。近年はピンク、ブルー、ラベンダーなどの染めかすみ草のほか、ドライフラワーとしても人気が高まっています。
かすみ草関連データ
令和5年度のかすみ草関連予定
- 6月中旬 昭和村内からの初出荷
- 7月7日 七夕、カスミソウの日
- 7月下旬 からむし織の里フェア(販売、ほ場見学)
- 10月下旬 昭和村内からの最終出荷
生産農家数及び直近販売額
町村名 | 戸数 | 新規参入者 | 新規参入者のうち村の支援事業を活用した方 | 令和4年 販売本数 | 令和4年販売本数 | 令和4年 出荷者数 |
---|---|---|---|---|---|---|
昭和村 | 60戸 | 27戸 | 25戸(36名) | 3,309,188 | 426,387,648 | 59 |
柳津町 | 21戸 | − | − | 1,320,460 | 148,263,850 | 19 |
三島町 | 6戸 | − | − | 224,985 | 31,144,062 | 6 |
金山町 | 2戸 | − | − | 37,050 | 2,993,687 | 1 |
合計 | 89戸 | − | − | 4,891,683 | 609,085,247 |
出典:JA会津よつばかすみ草部会名簿(令和5年3月時点)
昭和村におけるかすみ草栽培の歴史
和暦 | 西暦 | 歴史 |
昭和58年 | 1981 | 昭和村でカスミソウの栽培がはじまる。 |
昭和59年 | 1984 | JA昭和村花き生産部会設立(4月17日)。 昭和村花き研究会設立(7月16日) ※平成8年法人化。 |
昭和63年 | 1988 | 葉タバコの廃作奨励が契機となり、かすみ草への経営転換が進む。 |
平成4年 | 1992 | かすみ草の鮮度保持対策として氷温輸送開始。プラグ苗導入。 |
平成6年 | 1994 | かすみ草の鮮度保持対策として湿式輸送開始。関西市場への出荷開始。 |
平成14年 | 2002 | かすみ草の輸送において、エルフバケットシステムを導入。 |
平成15年 | 2003 | 「全国カスミソウふくしまサミットin昭和」を開催。 かすみ草の輸送において、バケットレンタルシステム導入。 かすみ草新規就農者受入事業開始。 |
平成17年 | 2005 | 昭和村農林水産集出荷施設「雪室」の利用開始。 |
平成24年 | 2012 | 中学生を対象に花育事業を開始。 |
平成25年 | 2013 | 全国37市場関係者等を招き、「昭和村かすみ草30周年記念交流会」を開催。 |
平成27年 | 2015 | 有限会社昭和花き研究会の解散に伴い、生産団体が一つに。 |
平成29年 | 2017 | かすみの学校インターンシップ事業開始。 |
平成30年 | 2018 | 昭和かすみ草35周年。販売額約4億5千万円。 |
令和元年 | 2019 | 昭和かすみ草振興協議会設立。 |
令和3年 | 2021 | 昭和村農林水産集出荷施設「雪室」改修工事完成。 パーフェクトコールドチェーン体制による利用開始。 販売額5億円達成記念式典を開催。 |
令和4年 | 2022 | 販売額6億円突破。 |